2010年08月12日

東大教養囲碁講座



この本の特徴。

・全くの初心者を3ヶ月で10級に。
これは具体的な成果の部分。全13回の講義で学生を10級にまでしてしまうのはすごいと思った。

・囲碁のルールに慣れさせてから基本を徹底的に
ある程度強くなってからも囲碁を石取りゲームと勘違いしてる人がいる。度を超すとそれが囲碁でなく別ゲームになってしまう。たぶん最初が肝心で、最初に石取りゲームのイメージを持ってしまうとそのイメージを後々まで引きずることになるのだろう。
本書では石埋めゲームを使ってその点を解決している。ルールは囲碁とほとんど同じだが、勝敗の決め方が異なる。すなわち、盤面により多くの石を置いた方が勝ちとなる(囲碁の場合はより多くの地を囲った方が勝ち)。石をより多く置くためには、相手が打ってきても取れる場所(地)を大きくする必要がある。なので考え方としては囲碁と大きく変わる所はない。
これが囲碁のルールに慣れるために案外効果的なようだ。

・基本を徹底的に
基本を徹底的にといっても、定石や石の形など、その場その場においてほぼ絶対的なことは教えないのだそうだ。教えるのは、状況によって打ち方が変わるときにどういう風に考えたらいいか。それを言葉化して教えてる。(ここではその言葉を石倉式格言と呼ぶ。)
これは石倉九段が得意とする所で、石倉九段の他の著書との相違はほとんどない。でも本書はやや基礎的な事に重心を置いている印象を受けた。

・「決め打ち碁」を使って具体的に
決め打ち碁とは、2人が盤の前に向かい合って座り、大盤で先生が並べた通りに打っていく打ち方のことだ。1人が黒を持ち、もう1人が白を持つ。それを9路盤、19路盤とやっていく。
最初に石倉式格言が出てきて、そして石を並べながらその格言を確認していくという方針だ。言葉だけでは分かりずらい所も、並べることによって理解を早める狙いがある。

・問題がとにかく多い。
1章を除いて章の最後に基本的な問題がついてる。

・なんといっても親切設計
石倉式格言が、同じのが何度も出てくるから読者は自然と何回も読まされることになる。これが案外重要で、やはり一回読んだだけでは抜け落ちてしまうのだ。しかも!格言の部分は背景が灰色色の枠で囲ってあるから後で見直すときも、探しやすいようにできている。なので、最初に通読したあと、石倉式格言だけを復習するといった使い方もできる。ああ、なんて親切なんだ!

・読者層としては、
やはり、これから囲碁を始めようと思っている入門者に読んでもらいたい。次に、基礎的な事を確認したい初心者だ。囲碁を教える立場にある人も読んでいいかもしれない。などと思った。
posted by かげろう at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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